11歳のときの作品。小学5年生。紘輝くんは病室のベッドで、「頭が痛い」と言ってシーツを被りながら泣いていました。容態が少しだけ良くなり、病院の中にある院内学級へ久し振りに入室。すぐに絵を描き始めました。担任の竹下長治先生が黙って見守っています。絵が完成すると、竹下先生は、学級正面のボードに飾りました。看護師さんたちは口々に、「この絵を見ていると何だかほっとしますね」と、笑顔。「これは何の絵なの?」何度聞かれても、紘輝くんは答えません。空いっぱいに両手を大きく拡げて、高く上げて……、そして、ちょっぴり涙目で。先生「後になって気がついたのですが……この絵は、 紘輝くんが自分自身を描いたンですよ」紘輝くんは………黙ったまま。