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あくま

紘輝くん、9歳のときの作品。小学3年生。最初に描いた絵。削られた頭に、目からは緑色の涙――――。手にはピストルと剣を持って悪魔と闘っています。一見、落書きのように見えるこの絵は、紘輝くんが自分を描いたものです。7歳のとき、170万人に1人の確率で発症する難病、脳腫瘍「髄芽腫(ずいがしゅ)」と診断され、13時間に及ぶ手術を受けました。そこから、病気と闘う壮絶な日々が始まりました。苦しい抗ガン剤治療、細胞移植を受ける過酷な闘病生活の中で描いた、悪魔と闘う「自画像」です。紘輝くんが、現実の厳しさと苦しさを描いたのは、この最初の1枚だけでした。